魔法使いの夜2012-04-17 Tue 19:45
蒼崎青子が魔法使いとして歩み始めた最初の物語。
TYPE-MOON(http://www.typemoon.com/) 55点(BGM・CG演出の素晴らしさに対しシナリオが足をひっぱる。ノベルとして微妙。) ボーイ・ミーツ・ガールから物語は始まる。 本作はむしろガールズ・ミーツ・ボーイともいえる。 とはいえ本作は恋物語ではなくむしろ成長物語の青春もの。 プロローグ(登場人物紹介) バトル1(遭遇・目撃)→バトル2(呼び出し襲撃・更なる襲撃・共闘・更に襲撃・一時休戦同盟) しばらくの平穏(相互理解・支点[要所]破壊・襲撃者の訪問) バトル3(各個撃破・反撃敗北・救援・殺害・魔法逆転) エピローグ(幾つかのネタバラシ) かいつまんでまとめてみればこれだけの内容が本作品。 短編ものとしてみれば悪くは無いストーリー構成ではある。 場面ごとを盛り上げるBGMは秀逸でCG演出も良かった。 ただ一つ致命的にシナリオが説明くどく重複した表現で長引いていく。 効果的なBGMがありCG演出もあるのにわざわざ重複して文章でも使ってみたりと。 これは不要。動く挿絵日記や舞台装置の豪華な学祭朗読劇に感じられる。 かなり以前一昔前に大きな過ちをおかしたノベルゲームが思いだされた本作。 ゲームの魅力であり醍醐味は多視点から楽しめる物語の進行が醍醐味であった筈なのに 実写写真での演出に重きをおいたその有り方が野暮ったさとマニアックさを生み出し さらにはタイトルに素直に表現されていたテーマさえも分かり難くしてしまった。 本作魔法使いの夜も終章第13章で多くの事が語られるように 深読みの必要性の無い簡素ながらも心躍らせる成長物語であった。 人物の心象・行動をくどく説明したり戦闘描写を某少年漫画風に無駄に熱く展開させる所に 同人から続くこのゲームブランドの特色であり問題点が残っているように感じる。 以下ネタバレ有り。 ○登場作品人物別行動紹介 ・蒼崎青子 1980年代後半(魔法使いの夜) 魔術とは無縁で普通に学生生活を楽しんでいたが高校入学時に祖父の遺産(蒼崎)後継者に。 魔術師見習いとして久遠時有珠の屋敷に赴き共に生活を送ることになる。 高速詠唱を得意とし且つ魔力の燃費効率が良い。 魔術特性は破壊に特化しており他の魔術は並以下。 遺産を引き継いだ当時は4歳違いの姉が出奔した為自分に遺産が回ってきたと思っていた。 (月姫) 第五魔法使い。 主人公である遠野志貴に生きる指針(助言)を与え、身体に負担をかける直死の魔眼を抑える 魔眼殺しの眼鏡を与える。 この眼鏡は元々は姉橙子の所有物だったものを勝手に持ち出し志貴用に調整を施したもの。 ・蒼崎橙子 青子の4歳年上の姉であり久遠時有珠とは旧知の間柄。 幼い頃から祖父のもとで魔術を学びルーン文字を使用する魔術を得意とする。 渡英し魔術協会に所属。 ルーン魔術を研究し廃れていたこの分野を整えあげる。 その実績をもって従来より研究していた人形師の工房(研究室)を持つ。 1980年代後半(魔法使いの夜) ついに精巧に使役できる人形から魂の器の役割を果たす人形を作るまでに至り 人間を超える人型は造れても、決して人間と同じモノは作れない という魔術協会における絶対の法則を覆す存在となり封印指定を受ける。 行方をくらまし放浪生活へ。 1998~1999(空の境界) 伽藍の堂という建築デザイン事務所のオーナーとなっている。 作中の主要人物黒桐幹也や両儀式の雇い主であり観察者(保護者)。 束の間、穏やかに日常を過ごせた時期。 ○青子の生き方と橙子の生き方 青子は悔いる選択をしない、その為後悔が残るような生き方はしない。 橙子は目標に向けてひたすらに現状できる状況での生き方を楽しむ。 ○橙子が三咲町へ戻ってきた理由 蒼崎(後継者青子を含む蒼崎家の魔法使い全て)への復讐 三咲町に存在する根源への接触 ○魔法 ……はじめの一つは全てを変えた。 ……つぎの二つは多くを認めた。 ……受けて三つは未来を示した。 ……繋ぐ四つは全てを隠した。 そして終わりの五つ目は、とっくに意義(せき)を失っていた。 蒼崎の魔法は過去未来を時間操作するのではなく過去や未来に存在するものを移動させる。 過去に失われた命はその時間帯をはるか未来へ送り今現在は起こりえ無かった事に。 現在未熟な技量を未来の自分から持ってくることで熟練の遣い手となることが可能。 |
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